Clarityヒートマップ完全ガイド!設定から活用まで!困ったときの解決法も紹介
Web担当者にとって、Webサイトを訪れたユーザーの行動把握はとても重要です。 GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールなどのアクセス解析ツールでもユーザーの行動把握は可能ですが、 ある程度の専門知識が必…

サイトやランディングページにおいて、CTAボタンの配置は売上を左右する重要な要素です。実際、HubSpotの調査によると、CTAボタンの配置を最適化することでコンバージョン率が平均で121%向上したという報告があります。

ボタンの位置を変えるだけで、そんなに変わるんですか?

はい。実際に私が担当したBtoBのSaaSサイトでは、CTAを「ファーストビューのみ」から「機能説明後 + 導入事例後 + 料金表後」の3箇所に変更しただけで、コンバージョン率が1.8%から4.2%に改善しました。月間1,000件の訪問があれば、18件から42件へ、つまり月24件もコンバージョンが増える計算です。
「ファーストビューにCTAを置くべきか、それとも説明コンテンツの後に配置すべきか」
この判断を誤ると、せっかく集めたトラフィックを無駄にすることになりかねません。
この記事では、CTAボタンの配置について感覚ではなく、ユーザー心理とデータに基づいた判断基準をお伝えします。読み終えた後には、自社サイトのCTAボタンをどこに配置すべきか、その理由とともに明確になるはずです。
1. ファーストビュー配置が有効なのは限られたケースのみ
再訪者・指名検索が多いサイト以外では、情報提供後の配置が効果的
2. 最も効果の高い配置タイミングは「情報を読んだ直後」
ベネフィット説明後、お客様の声後、料金表後、FAQ後の4つが最重要
3. デバイスごとに配置戦略を変える
スマホは固定フッターバー+コンテンツ内配置、PCは視線の流れに沿った配置
4. プライマリCTAとセカンダリCTAを使い分ける
最重要アクションと情報収集段階のユーザー向けで配置とデザインを変える
5. 業界・商材特性に合わせた配置パターンを選ぶ
SaaS、EC、BtoB、メディアで最適な配置数と位置が異なる
6. データで継続的に改善する
ヒートマップ・スクロール到達率で現状把握→仮説立案→A/Bテスト→効果測定
CTAボタンの配置を決める際、押さえておくべき3つの原則があります。これらは単なる経験則ではなく、ユーザー行動のデータとアイトラッキング調査に裏付けられたものです。
人間の視線には一定のパターンがあり、これを理解することがCTA配置の第一歩です。
ニールセン・ノーマン・グループの研究によると、ページを閲覧する際の視線には典型的な2つのパターンがあります。
この法則から導かれる配置の原則は、「視線の終着点にCTAを置く」ことです。Zパターンなら右下、Fパターンなら各セクションの左側に視線が戻る際の自然な流れの中にCTAを配置します。

じゃあ、右下にCTAを置けばいいんですね?

ちょっと待ってください!
視線の「終着点」は、ユーザーが情報を理解した「後」の話です。まだ何も読んでいない段階で右下にCTAがあっても、視線はそこに向かいません。
重要なのは「コンテンツを読ませる→視線が自然に移動する→その先にCTAがある」という流れです。
Googleアナリティクスのスクロール深度データを分析すると、ページによって大きく異なりますが、一般的に以下の傾向があります。
つまり、ファーストビューに配置すれば到達率は最大ですが、商品やサービスの価値を理解する前にCTAを見せることになります。一方、最下部に配置すれば十分に情報を得た「熱い」ユーザーだけがCTAを見ることになりますが、到達する人数は限られます。
実際に担当したヘルスケア系ECサイトでは、スクロール到達率を計測したところ、65%地点で急激に離脱が増えることが判明しました。そこで60%地点(使用者の声の直後)にCTAを追加したところ、そのCTA経由でのコンバージョン数が全体の38%を占めるようになりました。
ユーザーの検討段階によって、CTAを配置すべきタイミングは変わります。これは多くのマーケターが見落としている最重要ポイントです。
CTAボタンは、「今押すべき理由」がユーザーの頭の中にある瞬間に配置するのが鉄則です。
人間の意思決定は、関連情報を得た直後が最も動機づけが高まります。これは心理学で「行動の窓」と呼ばれる概念です。
たとえば、「導入企業の98%が3ヶ月以内に効果を実感」という実績データを読んだ直後に「無料で試してみる」ボタンがあれば、クリック率は大幅に向上します。
逆に、まだ何も読んでいない段階でCTAボタンだけがあっても、「なぜ今クリックすべきなのか」がユーザーには分かりません。

「行動の窓」って、具体的にどれくらいの時間なんですか?

研究によれば、情報を得てから30秒以内が最も動機づけが高い状態です。つまり、ユーザーが「おっ、良さそう」と思った瞬間の直後、視線が次に移動する先にCTAがあることが理想です。だからこそ、情報ブロックの「直後」が重要なんです。
商材の特性によって、コンバージョンに必要な情報量は大きく異なります。
たとえば月額数十万円のSaaSツールであれば、機能説明、料金プラン、導入事例、FAQ、セキュリティ情報など、複数のセクションを経てからCTAに到達するのが自然な流れです。
以前、年間契約100万円のBtoB商材で、「早くコンバージョンを取りたい」という要望からファーストビューCTAを目立たせたことがあります。結果、CTR(クリック率)は8%→12%に上がりましたが、実際のコンバージョン率は変わらず、CPAは悪化しました。理由は「よく分からないけどとりあえずクリック→内容を見て離脱」というユーザーが増えたためです。情報不足のままCTAを押させるのは、むしろ逆効果だったのです。
「CTAボタンはファーストビューに置くべき」という定説がありますが、これは半分正しく、半分誤りです。
一方で、初めて訪れたユーザーに対して、何の説明もなくCTAだけを見せても、クリック率は低くなります。Adobe Targetの調査では、説明なしのファーストビューCTAのクリック率は平均2.1%、一方で価値提案の後に配置したCTAは平均7.8%のクリック率を記録しました。
PCとスマホでは、画面サイズだけでなく操作方法そのものが異なるため、CTA配置の考え方も変える必要があります。
PCでは先述のFパターン・Zパターンが基本ですが、スマホでは縦スクロールが前提となり、視線は基本的に画面中央を縦に移動します。このため、スマホでは左右の配置よりも「どの深度に配置するか」が重要になります。
また、PCでは複数のCTAを横並びに配置できますが、スマホでは縦積みになるため、優先順位の高いCTAを上に配置する必要があります。
スマホを片手で操作する場合、親指が届く範囲は限られています。スティーブン・フーバーの研究によると、画面下部の中央から右寄りの領域が最も操作しやすい「親指ゾーン」です。
このため、スマホサイトでは固定フッターバー(画面下部に常に表示されるCTAボタン)が高い効果を発揮します。

単純にPC版をスマホに縮小するだけでは、最適なCTA配置にはなりません。具体的には以下の調整が必要です。
デバイス別にCTA配置を最適化するだけで、全体のコンバージョン率が15-30%向上することも珍しくありません。

スマホとPCで配置を変えるのって、実装が大変じゃないですか?

たしかに手間はかかります。でも、多くのサイトでスマホ流入が60-70%を占める今、「スマホ最適化の手間を惜しんでコンバージョン率が30%低い」のと「手間をかけて30%高い」のでは、年間で数百万円の売上差になります。
CTAボタンの配置には、いくつかの典型的なパターンがあります。それぞれに適したケースと注意点を理解し、自社の状況に合わせて選択しましょう。
ファーストビューとは、ページを開いた瞬間にスクロールせずに見える範囲のことです。ここにCTAを配置する戦略は、即座にアクションを促せる一方で、リスクも伴います。
ファーストビュー配置が最も効果を発揮するのは以下のケースです。
ファーストビューCTAの特徴は「クリック率は高いが、離脱率(直帰率)も高い」という点です。VWOの調査では、ファーストビューCTAのクリック率は平均8.4%と他の配置より高い一方で、ページ滞在時間は平均で40%短くなるというデータがあります。
これは、興味のあるユーザーはすぐにクリックして次のステップに進み、興味のないユーザーは他に見るものがないと判断してすぐに離脱するためです。言い換えれば、ファーストビューCTAは「訪問者をふるいにかける」配置とも言えます。
ファーストビュー配置を成功させるには、以下の要素を同時に配置する必要があります。
ECサイトの商品詳細ページでは、商品画像・価格・在庫状況・カートボタンがファーストビューに収まっていることで、すぐに購入判断できるユーザーの離脱を防いでいます。
コンテンツ内配置とは、ページの説明コンテンツの途中や直後にCTAボタンを配置する方法です。多くの場合、最も高いコンバージョン率を生み出す配置です。
コンテンツ内配置が力を発揮するのは以下のケースです。
コンテンツ内配置で最も重要なのは「どこに配置するか」です。以下は、心理学的に効果の高いタイミングです。

じゃあ、全部のセクションの後にCTAを置いた方がいいのでしょうか?

いえ、それは逆効果です。「CTAだらけ」になると、ユーザーは「しつこい」と感じます。重要なのは、上記の4ポイント(ベネフィット、お客様の声、料金、FAQ)の中から、自社の商材で「最も購買意欲が高まるポイント」を2-3箇所選ぶことです。
長いランディングページでは、上記のポイントすべてにCTAを配置することが一般的です。ただし、すべてを同じデザインにする必要はありません。
このように強弱をつけることで、ページ全体が「CTAだらけ」という印象を避けながら、各段階のユーザーを適切に誘導できます。
固定表示とは、スクロールしてもCTAボタンが画面上の一定位置に表示され続ける配置方法です。「スティッキーCTA」「フローティングCTA」とも呼ばれます。
固定表示が特に効果を発揮するのは以下のケースです。
固定表示には3つのタイプがあり、それぞれ特性が異なります。

固定CTAの最大の課題は「邪魔だ」と感じられることです。以下の設計で、この問題を最小化できます。
現代のWebマーケティングでは、CTAを1箇所だけに配置することはほとんどありません。ユーザーの検討段階やスクロール位置に応じて、複数のCTAを戦略的に配置します。
すべてのCTAが同じ優先度であるべきではありません。主要なCTA(プライマリ)と補助的なCTA(セカンダリ)を区別します。
たとえばBtoBのSaaSサイトでは、プライマリCTAが「無料トライアル」、セカンダリCTAが「導入事例を見る」「料金プランを比較」といった構成が一般的です。
すべてのユーザーが、初回訪問で購入や申込に至るわけではありません。特に高額商材やBtoBサービスでは、段階的なコンバージョンポイントを設計します。
各段階に応じたCTAを配置することで、「今すぐ購入」のハードルが高すぎて離脱するユーザーを、まずは緩やかな関係性構築へと導けます。
複数箇所にCTAを配置する際、どこを最重要視すべきかは、ヒートマップとスクロール到達率のデータから判断します。
Google Optimizeなどのツールを使えば、各CTA配置の効果を個別に測定できるため、どの配置が最も効果的かをデータで判断できます。
CTAボタンの最適配置は、業界や目的によっても異なります。ここでは、主要な業界ごとの典型的な配置パターンを紹介します。
SaaSビジネスでは、無料トライアルへの誘導が最重要CTAです。典型的な配置は、ファーストビューに1回、機能説明セクション後に1回、料金ページに各プランごと、そして固定ヘッダーという構成です。
SlackやAsanaなどの成功事例では、「まず使ってもらう」ことを最優先し、ページ内に5-7箇所のCTA配置が一般的です。プライマリCTAは「無料で始める」、セカンダリCTAは「デモを見る」「営業に相談」といった構成が主流です。
ECサイトの商品詳細ページでは、カートボタンは必ずファーストビューに配置します。商品画像・価格・在庫状況・カートボタンが、スクロールなしで見える範囲に収まっていることが鉄則です。
スマホでは固定フッターバーにカートボタンを配置し、スクロールしても常にアクセスできるようにします。Amazon、楽天、ZOZOTOWNなど、主要ECサイトはすべてこのパターンを採用しており、これが事実上の業界標準となっています。
BtoBサイトでは、即座の購入ではなく資料請求や問い合わせが主要なCTAとなります。配置の特徴は、ファーストビューにも配置しつつ、導入事例・機能詳細・料金情報など、各情報セクションの後にも必ずCTAを置くことです。
また、「今すぐ資料請求」のようなプッシュ型CTAだけでなく、「詳しい機能を見る」「導入事例を読む」といったプル型CTAも併用し、情報収集段階のユーザーを逃さない設計が重要です。
サイボウズやfreeeなどの国内BtoB企業は、この多段階CTAを効果的に活用しています。
メディアサイトや情報サイトでは、会員登録を促すCTAが重要です。記事を読み始める前に会員登録を要求すると離脱率が高まるため、多くの場合、記事の途中(スクロール50-70%地点)や記事末に配置します。
「続きを読むには会員登録」というパターンや、「このような記事も読めます」という価値提示と共に登録を促すパターンが効果的です。
NewsPicksやnoteは、無料で一定量読ませた後に「もっと読むには会員登録」と促す設計で、登録率を高めています。

ここまでの原則を理解したら、次は実際に自社サイトのCTA配置を改善していきます。感覚ではなくデータに基づいて改善するための4つのステップを解説します。
まず、現在のCTA配置がどのように機能しているかを定量的に把握します。
Microsoft ClarityやHotjarなどのヒートマップツールを使うと、ユーザーが実際にどこを見て、どこをクリックしているかが視覚的に分かります。確認すべきポイントは以下です。
もしCTAボタンが「冷たい」(青い)色で表示されていたら、そもそもユーザーの視線が届いていないことを意味します。
Google AnalyticsやGoogle Tag Managerを使えば、ページのどの深度までユーザーがスクロールしているかを測定できます。
たとえば、最下部にCTAを配置しているのに、スクロール到達率が30%しかなければ、70%のユーザーはそのCTAを見ることなく離脱していることになります。この場合、より上部にCTAを追加する必要があります。
各CTA配置のクリック率を個別に測定します。同じページ内に複数のCTAがある場合、どの配置が最も効果的かを比較します。
測定方法は、Google Tag Managerでイベントトラッキングを設定するか、CRO(コンバージョン率最適化)ツールを使います。
このデータから、どの配置が最もユーザーの心理とマッチしているかが分かります。
データ分析から、改善の仮説を立てます。
現状分析で得られたデータから、以下のような仮説を立てます。
仮説は「◯◯だから、△△すれば、□□になるはず」という形で具体的に言語化します。

仮説って、どれくらい具体的に立てればいいんですか?

「CTAの位置を変えればコンバージョン率が上がるはず」ではダメです。
料金表の直後にCTAを配置すれば、料金確認→即コンバージョンという流れができ、コンバージョン率が15-20%向上すると予測」くらい具体的にしましょう。そうすれば、テスト後に「なぜ成功/失敗したか」を分析できます。
すべての仮説を同時にテストすることはできません。以下の基準で優先順位をつけます。
優先度の高い仮説から順にA/Bテストを実施していきます。
仮説を検証するために、A/Bテストを設計します。
CTA配置のA/Bテストでは、以下のようなパターンをテストします。
A/Bテストで統計的に有意な結果を得るには、十分なサンプル数が必要です。
一般的な目安は、各バリエーション(AパターンとBパターン)あたり最低でも1,000セッション、できれば5,000セッション以上です。コンバージョン率が低いサイトほど、多くのサンプルが必要になります。
期間は最低でも1週間、できれば2-4週間が望ましいです。曜日による変動を平準化するためです。
A/Bテストの結果は、統計的有意差があるかどうかで判断します。「Aパターンのほうが良さそう」という印象ではなく、偶然ではない差があるかを確認します。
有意水準は通常95%(p値0.05)を使います。Google OptimizeやOptimizelyなどのツールは、自動的に有意差を計算してくれます。
重要なのは、「早く結果が欲しい」という焦りから、十分なサンプルが集まる前にテストを終了しないことです。これは「ピーキング」と呼ばれる統計的エラーを引き起こします。
A/Bテストの結果を評価し、次の改善につなげます。
CTA配置の改善では、以下の指標を総合的に評価します。
たとえば、ファーストビューにCTAを追加した結果、CTRは向上したが、CVRは変わらず離脱率が上昇した場合、その配置は失敗と判断します。ユーザーが内容を理解する前にクリックし、遷移先で「思っていたのと違う」と離脱しているためです。
A/Bテストは1回やって終わりではありません。継続的な改善サイクルを回します。
このサイクルを月1回、または四半期に1回のペースで回すことで、コンバージョン率は着実に改善していきます。
実際、Booking.comやAmazonなどのトップ企業は、常に数百のA/Bテストを並行して実行し、年間で数千回の改善を積み重ねています。一度の大きな改善よりも、小さな改善の積み重ねが、最終的に大きな成果の差を生むのです。
この記事を読み終えたら、まず以下の3つを実行してください。

結局、一番効果的なCTA配置って何なんですか?

正直に言うと、「自社のデータを見ないと分からない」が答えです。ただし、経験則として、初訪ユーザーが多いサイトなら「ベネフィット説明後+お客様の声後+料金表後の3箇所」、再訪ユーザーが多いサイトなら「ファーストビュー+固定フッター」が鉄板です。まずはこの2パターンのどちらかから始めて、自社のデータで検証してください。
CTAボタンの配置は、感覚や流行ではなく、ユーザー心理とデータに基づいて決めるべきです。
この記事で解説した重要なポイントを振り返ります。
CTAボタンの配置を最適化すれば、広告費を増やさずにコンバージョン率を改善できます。あなたのサイトに最適な配置は、あなた自身のデータが教えてくれます。今日から、小さな一歩を踏み出してみてください。







