CDNとは?検索エンジンのクローリングを阻害してしまうケースもある?

「CDNはWebサイトの表示速度を改善するって聞いたけど、そもそもCDNが何なのかよくわからない」
「CDNのやり方を間違って、サイト表示速度が遅くなったり検索エンジンの評価が下がったりしないか心配…」
「CDNを導入したいけど自分には難しそう…」
CDNはランク要素の1つでもあるWebサイトの表示速度改善につながるため、有効なSEO施策と言われています。
そこで、この記事ではCDNに苦手意識を持っている方向けに、以下について解説します。
- CDNとは何か
- CDNによって検索エンジンのクローリングに問題が発生するケースの最新情報
- CDNの導入方法
この記事でWebサイトの表示速度やユーザー体験を向上させて、検索順位によい影響を与えましょう!
- 目次
CDNとは?なぜSEOで重要なのか

まずは、CDNとは何なのか、なぜCDNが重要なSEO施策なのかをしっかり理解しておきましょう。
CDNとは
CDNとは
コンテンツ配信ネットワーク(Contents Delivery Network)のこと
Webサイトのデータを世界中に散らばるサーバーにコピーして、ユーザーに最も近いサーバーからデータを配信する技術
例えば、あなたが東京に住んでいて、アメリカのWebサイトにアクセスするとします。アクセスするWebサイトのサーバーがアメリカにある場合、データは太平洋を越えて送られてくるため、どうしても表示に時間がかかってしまいます。
そこで、CDNが活用されます。CDNを利用すると、日本の近くにあるサーバーから以前アクセスしたときに保存しておいたデータを受け取ることができるため、Webサイトがサクサクと表示されます。
CDNがWebサイトの表示速度を向上させる理由
CDNがWebサイトの表示速度を向上させる理由は、以下の3つが挙げられます。
キャッシュ機能
CDNは、一度配信したデータをサーバーに保存しておくことができます。そのため、同じコンテンツが複数回リクエストされた場合、サーバーから直接データを取得するのではなく、保存しておいたデータを提供することで効率的にWebサイトを表示します。
トラフィックの集中を防ぐ
CDNは世界中に分散されたサーバーでトラフィックを処理するため、特定のサーバーに負荷がかかりすぎるのを防ぎます。
何らかの理由でWebサイトにアクセスが殺到しても、CDNがその負荷を分散してくれるので、Webサイトは安定して稼働し続けます。
信頼性の向上
万が一、Webサイトのサーバーに問題が発生した場合でも、CDNにキャッシュされたデータが提供され、ユーザーはWebサイトにアクセスできるため、ユーザーの離脱を防ぐことができます。
検索エンジンが表示速度の速いWebサイトを好む理由
Googleをはじめとする検索エンジンは、ユーザーに最高の検索結果を提供するために、常にアルゴリズムを改善しています。その1つとしてページ表示速度が評価の対象となっています。
Googleが公表している検索エンジンのランキング要素の1つにWebサイトの表示速度があります。Googleは「検索クエリのインテント(検索意図)のほうが重要」としていますが、ランキング要素として認められている以上、無視はできません。
検索ユーザーはできるだけ早く質問に対する答えを見つけたいと考えています。研究によると、ユーザーはページの読み込み速度を非常に気にかけています。読み込み速度これまでもランキング シグナルとして使用されていましたが、デスクトップ検索を対象としていました。そこで 2018 年 7 月より、ページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素として使用することになりました。
これを「Speed Update」と呼びますが、対象となるのは、ユーザーがかなり遅いと感じるようなページのみで、ごくわずかな割合のクエリにしか影響しません。そのページがどのような技術を使用して制作されたかに関係なく、すべてのページに同じ基準が適用されます。検索クエリのインテントは依然として非常に強力なランキング シグナルです。そのため、関連性の高い優れたコンテンツを含むページであれば、読み込み速度が遅くても上位に掲載される可能性があります。
引用:ページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素に使用します

表示速度が速いWebサイトはユーザーにとって使いやすく、満足度も高いため、検索結果の上位に表示される可能性が高くなります。
CDNはWebサイトの表示速度を改善する有効な手法のため、重要なSEO施策として注目されています。
CDNによって期待できるSEO上のメリット
CDNを導入したWebサイトが期待できる恩恵を紹介します。
ユーザー体験の向上
Webサイトの表示速度が向上することで、ユーザーは快適にWebサイトを利用できるようになります。その結果、滞在時間が長くなったり離脱率が低下したりする効果が期待できます。
検索エンジンの評価向上
GoogleのCore Web Vitalsなど、検索エンジンのランキングシステム上、表示速度は重要な要素として組み込まれています。CDNを導入することで、これらの指標を改善し、検索順位の向上が期待できます。
サーバー負荷の軽減
CDNが一部の処理を代行することで、サーバーの負荷を軽減できます。これにより、サーバーダウンのリスクを減らし、Webサイトの安定性を向上させることができます。
セキュリティリスクの分散
CDNは、不正なボットや悪意のあるアクセスをブロックする機能も備えています。これにより、検索エンジンがWebサイトを正常にクロールできる環境が整い、結果的にSEOの評価向上につながることが期待できます。

CDNはWebサイトの表示速度向上によってユーザー体験を改善できるから非常に有効なSEO施策なんですね!
CDNとクローリングの関係について最新情報
2024年12月、Google検索セントラルの公式ブログでCDNと検索エンジンのクローリングについて解説記事が公開されました。
このセクションでは、CDNが検索エンジンのクローリングに与える影響について理解するために、Google検索セントラルの公式ブログ記事「Crawling December: CDNs and crawling」を初心者にもわかりやすく解説します。
クローリングとは何か
クローリングとは
検索エンジンのロボット(クローラー)が、インターネット上のWebサイトを巡回し、新しいWebページや更新されたWebページを発見するプロセス
クローラーはWebサイト内のリンクをたどって、次々と新しいWebページを見つけていきます。
CDNが過保護すぎてWebサイトのインデックスに問題が起こる?
CDNには、Webサイトへの不正なアクセスを防ぐ機能があります。
しかし、この機能が過剰に働くと、検索エンジンのクローラーも不正なアクセスと誤認されWebサイトにアクセスできなくなるという問題が起こります。
CDNがWebサイトを過剰に保護してしまうことによって、具体的には以下のような問題が懸念されます。
検索エンジンにインデックスされない
クローラーがWebサイトを巡回できなければ、新しいWebページや更新されたページが検索エンジンのインデックスに登録されません。
検索結果から消えてしまう
すでにインデックスされていたページも、クローラーがアクセスできなくなると、検索結果から消えてしまう可能性があります。

これはSEO上絶対に対処しないといけない問題ですね…!
CDNがWebサイトを過剰に保護した場合に起こる事象
CDNが検索エンジンのクローリングをブロックする方法として、Google検索セントラルブログでは以下2つのケースを指摘しています。
- ハードブロック
CDNが、クローラーからのアクセスに対してエラーを返すことで、完全にアクセスを遮断してしまう - ソフトブロック
CDNがCAPTCHAテストを表示したりアクセスを制限したりすることで、クローラーがページの内容を正しく読み取れなくなる

CAPTCHAテストとはロボットではないことを確認する仕組みです。
どうすればCDNの過剰保護を解決できるのか?
CDNが検索エンジンのクローリングに悪影響を与えている場合、以下2つの方法を試してみましょう。
- Googleサーチコンソールを活用
クロールのエラーを確認し、CDNによる問題であることを特定 - CDNの設定を見直す
CDNの設定を見直し、検索エンジンのクローラーからのアクセスを許可するように設定を変更
CDNの設定を行う際には、検索エンジンのクローラーがスムーズにアクセスできるよう、注意が必要です。

Googleをはじめとする検索エンジンはIPアドレスを公開し、不正なアクセスとは違うことを識別できるようにしています。さらに技術的な解説を知りたい方は、Google検索セントラルの記事を読んでみてください!
Google検索セントラル「Crawling December: CDNs and crawling」
CDNの導入方法と注意点
CDNの導入を検討する場合、CDNの導入手順や自社のWebサイトに最適なCDNの選び方を理解し、CDN導入後のトラブル回避について知りたいのではないでしょうか?
このセクションでは、実際にCDNを導入する際の具体的な手順や注意点を解説します。
CDNの選び方
CDNはサービス提供業者と契約すると利用できるようになります。
CDNを選ぶ際には、以下の点に注意して比較検討することが重要です。
無料CDNと有料CDN
無料CDNは無料枠内で利用できる範囲が限られています。
一方、有料CDNはより高度な機能やカスタマイズに対応しており、大規模なWebサイトや高い負荷が予想されるWebサイトに適しています。
機能
キャッシング・圧縮・セキュリティなどの機能に加え、画像最適化や動画配信、WAF(Web Application Firewall)などの機能を提供しているCDNもあります。
自社のWebサイトに必要な機能を比較検討しましょう。
グローバルなネットワーク
世界中に展開しているサーバーの数が多いほど、ユーザーへのコンテンツ配信速度が向上します。
CDNの導入手順
CDNを導入する手順は、大きく分けて以下の4つのステップで行います。
- オリジンサーバーの設定
まず、CDNに配信する元のコンテンツが置かれているサーバー(オリジンサーバー)の用意・設定を行います。CDNはこのオリジンサーバーからコンテンツを取得して、ユーザーに配信します。 - CDNの設定
次に、選択したCDNサービスの管理画面でオリジンサーバーの情報やキャッシュの設定などを行います。どのファイルをいつまでキャッシュするかなど、詳細な設定も可能です。 - DNS設定の変更
自分のWebサイトのドメインとIPアドレスを紐づけるためにDNS設定を変更します。 - 動作確認
実際にWebサイトにアクセスしたり読み込み速度などのパフォーマンスを確認して、正しく表示されるか確認します。特に、画像や動画などの静的なコンテンツがCDNから配信されているか、注目してみましょう。
CDN導入後の注意点
キャッシュが陳腐化している
キャッシュされたコンテンツが古くなってしまい、最新の情報が表示されない現象です。定期的にキャッシュをクリアしたり、キャッシュの有効期限を短く設定したりすることで、この問題を回避できます。
クローラーのブロック
Google検索セントラルの公式ブログでも指摘されていた問題です。CDNの設定によっては、検索エンジンのクローラーがWebサイトにアクセスできなくなることがあります。
robots.txtやsitemap.xmlを適切に設定し、問題なくクローリングできるよう設定しましょう。

CDNは踏まえるべき導入手順や注意点もありますが、Webサイトの表示速度を向上させ、ユーザー体験を改善することができる有効なSEO施策です。まずはページスピードインサイトなどで、自社サイトのパフォーマンスを確認し、導入が必要かどうかチェックしてみましょう。
よくある質問
CDN導入時に確認が必要なDNSって何ですか?
DNSとは、インターネット上のドメイン名とIPアドレスを対応付ける仕組みで、Webサイトにアクセスする際に、ブラウザが正しいサーバーにたどり着けるようにするためのいわば「電話帳」のようなものです。
CDNを導入するということは、Webサイトのコンテンツを世界中に分散されたサーバーにコピーし、ユーザーに最も近いサーバーからコンテンツを配信することになります。ユーザーがWebサイトにアクセスした際に、DNSの設定によってどのサーバーに接続するかを指示します。
最初からCDNを設定していれば、新しく立ち上げたばかりのWebサイトでもWebページの表示は早いですか?
はい、一般的にWebサイトを立ち上げる初期段階からCDNを設定することで、Webページの表示速度を向上させることができます。
ただし、キャッシュウォームアップが完了するまでは、Webサイトの表示速度が遅くなる可能性があります。
CDN導入直後のWebサイトでは、すべてのコンテンツがCDNのキャッシュに保存されているわけではありません。このため、最初のアクセス時にはCDNがオリジンサーバー(あなたのWebサイトのメインサーバー)にコンテンツを要求し、そのコンテンツをキャッシュに保存する必要があります。このプロセスを「キャッシュのウォームアップ」と呼びます。
この段階で多くのユーザーが同時にアクセスした場合、オリジンサーバーに大きな負荷がかかり、Webサイトの表示が遅延したり、一時的にアクセスできなくなる可能性はあります。
まとめ
CDNとは、世界中のサーバーに自分のWebサイトのコンテンツ情報などを保管しておくことで、ユーザーがアクセスしたときのページ表示速度を速めることができるネットワークです。
ページ表示速度はGoogleがランキングに影響する要素として認めているため、CDN導入は有効なSEO施策と考えられています。
ただし、CDNの設定次第で検索エンジンのクローリングが阻害されてしまう懸念がGoogle検索セントラルの公式ブログで指摘されました。
CDNの導入を検討する際はCDNサービス提供業者や料金プラン、導入手順とあわせて、クローリングを邪魔しないよう設定に注意しましょう。













