
Web担当者であれば「アルゴリズム」を知っておく必要があります。
アルゴリズムは簡単にいうと、問題の解決や目的を達成するための手順や計算方法で、もともとはコンピュータープログラミングで用いられた言葉です。
ここでは、「アルゴリズムってなに?」「どんなメリットがあるの?」とお悩みの人に向けて、基本構造や種類からメリットや事例まで、初心者にもわかりやすく解説します。
この記事で学べること
- アルゴリズムは問題の解決や目的を達成するための手順や計算方法
- アルゴリズムの基本形は「順次構造」「選択構造」「反復構造」
- 家電のマニュアルや自動販売機など身近なものにも使われている
- 目次
アルゴリズムとは
Webに携わる人なら「アルゴリズム」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、意味をご存じですか?

アルゴリズムは簡単にいうと、問題の解決や目的を達成するための手順や計算方法です。
もともとは、コンピュータープログラミングで用いられた言葉で、「大量のデータを高速で処理する手順」「プログラムで問題を解決する手段」を指しています。
大量のデータの高速処理が可能なコンピューターは、処理の手順や手段を変えるだけで、大幅に処理にかかる時間を短縮できる可能性があるため、アルゴリズムが重要視されているのです。
一般的に、1つの処理に対してアルゴリズムは1つではなく、複数存在しています。
問題の解決や目的を達成する速さや作業効率などにより、最適なアルゴリズムは異なります。
アルゴリズムのメリット
アルゴリズムには多くのメリットがあります。主な4つのメリットを解説します。
MERIT 1
作業を標準化できる
アルゴリズムがあれば、同じ作業手順で処理できるため、作業の標準化が可能です。
新人でもアルゴリズムどおりに処理すれば、一定以上の品質を保ったまま処理できるだけではなく、作業手順の習得が早くなるメリットもあります。
例えば、料理のレシピもアルゴリズムの1つで、材料の分量と調理の手順が書かれたレシピどおりに料理すれば、誰が作っても同じ味に仕上がります。
MERIT 2
問題点を特定できる
アルゴリズムで作業手順を明確にすれば、同じ結果が得られなかった際に、問題点を特定できるメリットがあります。
例えば、料理のレシピに「ひと煮立ち」と書かれていると、人によって煮立たせる時間が異なるため、同じ味に仕上がらない問題が生じるでしょう。
この問題を改善するためには、「沸騰してから30秒」のように、「ひと煮立ち」の具体的な時間をアルゴリズムとして記載することで、同じ味に仕上げられます。
MERIT 3
業務を外部に委託して効率化できる
作業手順をアルゴリズム化すると、業務を外部に委託して効率化を図れます。

アルゴリズム化する際には、すべての作業手順を書き出さなければなりません。
作業手順を明確にすると、外部に委託できる作業を見つけられるだけではなく、無駄な作業も発見できるでしょう。
MERIT 4
DX化に役立つ
DXとは「Digital Transformation(デジタル・トランスフォーメーション)」の頭文字を取ったもので、データとデジタル技術を活用し、組織全体を変革させることです。

現在、国を挙げてDX化を推進しており、DX化にもアルゴリズムが役立ちます。
日常業務の作業手順をアルゴリズム化すれば、無駄な作業の発見や改善ができるメリットがあります。
アルゴリズム学習が重要視されている理由
アルゴリズム学習が重要視されている4つの理由を解説します。
REASON 1
大量のデータが生成されるようになった
インターネットが普及したことで、多種多様なデータが大量に生成されるようになりました。
大量のデータから目的や状況に応じてデータを分析・処理するために、アルゴリズムが必要なのです。

アルゴリズムを学習すれば、効率的かつ適切に処理できるため、価値のある判断材料や結果を得られるでしょう。
REASON 2
AI(人工知能)が日々進歩している
アルゴリズム学習が重要視される理由の1つに、AIの進歩が挙げられます。
AIは大量のデータを処理・分析してパターンを発見する際に、アルゴリズムを用いています。

AIの学習にアルゴリズムが欠かせないため、AIの需要の高まりとともに、重要視されているのですね!
REASON 3
テクノロジー技術やDX化が加速している
近年、テクノロジー技術やDX化が急激に進んでいます。
アルゴリズムはそれらを支える手段となっているため、アルゴリズム学習が重要視されているのです。

システムの分析・予測・最適化やビジネスプロセスなどに、アルゴリズムは欠かせません。
アルゴリズムを学習することは、技術の進化への適応とDX化を推進するための知識と思考を身につけることにつながります。
REASON 4
問題解決力や創造性の向上
アルゴリズムは、問題の解決や目的を達成するための手順や計算方法です。
複雑な問題を解決へと導いたり効率的な手順を構築したりすると、問題解決力や創造性が向上するため、課題を対処するスキルも身につくでしょう。
アルゴリズムの3つの基本構造
3つの基本構造を解説します。
NO.1
順次構造
記載された順に沿って処理を実行するのが、最もシンプルな「順次構造」です。
例
- コップを出す
- 水を入れる
- 水を飲む
順次構造では書かれた順に実行されるため、まずコップを出し→次に水を入れて→最後に水を飲みます。
基本的な構造である「順次構造」は、多くのアルゴリズムで用いられています。
NO.2
選択構造
ある条件に基づいて実行する処理を変えるアルゴリズムが「選択実行」です。
選択によって分岐を作ることから「分岐構造」とも呼ばれています。
例
- 出かけるために扉を開けて外の天気を確認する
- 外が雨なら車を選ぶ
- 外が雨でなければ自転車を選ぶ
NO.3
反復構造
「反復構造」とは、一定の条件を満たすまで繰り返し処理を実行する構造です。
スポーツや楽器を練習する際に行う、技術を習得できるまで何度も練習を重ねる「反復練習」は、反復構造のアルゴリズムに当てはまります。
例
- クロールを練習する
- クロールで50mを30秒で泳ぐ
- クロールで50mを30秒で泳げるまで1を繰り返す
アルゴリズムの種類
アルゴリズムにはさまざまな種類があり、目的や用途によって利用される種類が異なります。
代表的な4つのアルゴリズムをご紹介します。
TYPE 1
サーチアルゴリズム
複数のデータの中から目的のデータを探すために用いられるのが「サーチアルゴリズム」です。
データの構造や特徴によって、「線形探索」「二分探索」などに分類されます。
線形探索
先頭から順番に条件に合わせてデータを探索するアルゴリズムです。
二分探索
データを2つにグループ分けし、探索する値を分類するアルゴリズムです。
TYPE 2
ソートアルゴリズム
データを規則に従って並べ替えるのが「ソートアルゴリズム」です。
「バブルソート」「選択ソート」「挿入ソート」など、多くの種類があります。
バブルソート
隣り合う値を条件に沿ってデータを整列するアルゴリズムです。
選択ソート
グループに分けてデータを整列するアルゴリズムです。
挿入ソート
分割や併合でデータを整列するアルゴリズムです。
TYPE 3
暗号化アルゴリズム
情報セキュリティ対策に用いられているのが、データを暗号化したり、暗号化したデータをもとに戻したりする「暗号化アルゴリズム」です。
「公開鍵暗号方式」「共通鍵暗号方式」に大きく分けられます。
公開鍵暗号方式
「公開鍵」と「秘密鍵」の異なる鍵を用いて暗号化と復号化を行う方式です。
共通鍵暗号方式
暗号化と復号化に同じ「共通鍵」を使う方式です。
共通鍵の情報は未公開で送信側と受信側だけで共有されています。
TYPE 4
機械学習アルゴリズム
コンピューターを用いて自動的にデータのパターンや関係性を学習し、予測や意思決定を行うのが「機械学習アルゴリズム」です。
「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」に大きく分けられます。
教師あり学習
あらかじめデータとその答えを与えて学習させる方法です。
教師なし学習
データのみを与えてその答えは与えずに学習させる方法です。
強化学習
明確な答えがないときに最適な行動を選択するように学習させる方法です。
身近にあるアルゴリズムの事例
アルゴリズムは日常生活の至るところで使われています。
身近にあるアルゴリズムの事例をご紹介します。
CASE 1
家電のマニュアル
冷蔵庫やテレビなどの家電を購入すると、初めに電池や電源を入れたり、時刻や場所を設定したりするでしょう。
これらの手順は、添付されているマニュアルに記載されています。
順番に沿ってやるべきことが書いてあるマニュアルは、手順を説明するアルゴリズムの1つです。

そのため、順番を飛ばして手順を進めると、家電が正しく動作しない可能性があります。
CASE 2
買い物リスト
買い物リストもアルゴリズムの1つです。
「パン・牛肉・アイスクリーム・キャベツ」と書かれた買い物リストがあるとします。
買い物リストの順にスーパー内で商品を探す人は少なく、店内を最短距離で移動できるように、近くの商品から探す人がほとんどでしょう。
このように、リストに書かれたものをすべて購入できるならどの順番で処理してもいいことを、「リスト型データ構造」と呼びます。
また、「牛乳が200円以下なら2本、そうでなければ1本」の指示がある場合は、「条件分岐」に当てはまります。

何気ない買い物リストにもアルゴリズムが用いられているのですね!
CASE 3
検索サービス
GoogleやYahoo!などのすべての検索サービスは、アルゴリズムが用いられている代表的な事例です。
近頃では、「ユーザーの現在地や検索履歴をもとに検索結果を表示する」というアルゴリズムを用いた検索が注目を集めています。

例えば、渋谷にいる人が「カフェ」と検索すると、渋谷周辺のカフェが表示されます。
CASE 4
カーナビや、電車・バスの乗り換え案内
アルゴリズムはカーナビや電車・バスの乗り換え案内にも用いられています。
例えば、乗り換え案内を使って東京駅から新大阪駅までの行き方を検索すると、複数のルートや時間、料金が表示されるでしょう。

どのルートを使えば一番早く・一番安くたどり着けるか、アルゴリズムが導き出すのですね!
CASE 5
自動販売機
街中で見かける自動販売機にも、アルゴリズムが用いられています。
例えば、飲料の自動販売機で100円を投入して光るのは、100円以下の商品ボタンだけです。
これは、「投入された金額が商品価格以下ならボタンは光らない」「投入された金額が商品価格以上ならボタンが光る」などのアルゴリズムにもとづいているからです。
CASE 6
SNS
X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSにも、アルゴリズムが用いられています。
ユーザーの投稿や閲覧履歴、友人関係などのデータにもとづいて、求めている情報を選び出して表示しています。
よくある質問
アルゴリズムとはなんですか?
問題の解決や目的を達成するための手順や計算方法です。
Googleの検索アルゴリズムとはなんですか?
Googleで検索されたキーワードに対して、どのWebページを検索結果の上位に表示させるかというアルゴリズムです。
Googleは検索アルゴリズムの詳細を発表していません。
また、定期的にアップデートされており、検索アルゴリズムの変更によって表示順位が大きく変わる場合もありますので、常に最新の情報をチェックする必要があります。
まとめ
アルゴリズムはプログラミングだけではなく、日常生活からビジネスまで、幅広く活用されています。アルゴリズムを活用すれば、問題の解決や目的の達成の効率化を図れます。
本記事でご紹介した、基本構造や種類などの基礎知識を参考に、ぜひ幅広いシーンに活かしましょう!















