Google×Walmart提携。「Webサイト不要」のAI代理購入が始動

「検索して、サイトを訪問し、商品を比較して購入する」
この一連の購買プロセスが、近い将来、当たり前ではなくなるかもしれません。
GoogleはWalmartとの戦略的提携を発表し、生成AI「Gemini」上で、商品の発見から購入・決済までを完結させる新機能を公開しました。
注目すべきは、同時に発表された新たな共通規格「Universal Commerce Protocol(UCP)」です。これにより、ECサイトは「人に見せる場」から、AIに商品情報を提供する存在へと役割を変えつつあります。
引用元:Walmart and Google Turn AI Discovery Into Effortless Shopping Experiences
Gemini×Walmartで何が始まるのか?
GoogleとWalmartの提携により、これまでにない購買体験が実現しようとしています。
チャット上で購入が完結
ユーザーはGeminiに「冬キャンプに必要なものを教えて」と入力するだけで、Walmartの商品提案を受け、そのままカート投入から決済まで完了できます。ECサイトへ遷移する必要はありません。
購買履歴を踏まえた提案
GoogleとWalmartのアカウントを連携すると、AIは過去の購入履歴を把握します。たとえば、以前購入したテントのサイズに合う寝袋だけを提案する、といったことも可能になります。
物流とのリアルタイム連携
購入した商品は、Walmartの配送ネットワークと連動し、最短30分で届くケースも想定されています。「思いついたら、すぐ届く」体験が、AI経由で実現しようとしています。
Universal Commerce Protocol(UCP)とは何か
この仕組みは、Walmart限定の話ではありません。
Googleは同日、Shopify、Etsy、Targetなどが参加するUniversal Commerce Protocol(UCP)を発表しました。
AIが商品を扱うための共通ルール
UCPは、AIエージェントが商品を扱うための共通フォーマットです。
- 商品仕様を正しく理解する
- 在庫を確認する
- 決済処理を行う
ECサイトは「裏側の存在」になる
ユーザーがECサイトのトップページを見る機会は減ります。
AIがUCPを通じて必要な情報を取得し、ユーザーには「最適な1つ」だけが提示される構造になります。言い換えれば、ECサイトは人のための売り場から、AIのための商品データベースへ役割を変えつつある、ということです。
進行する「ゼロクリック・コマース」
Web担当者が受ける影響は小さくありません。
比較検討系キーワードの価値低下
「おすすめ」「比較」「どれがいい」といった検索は、人ではなくAIが担う領域になりつつあります。これまで流入を生んでいた比較系コンテンツは、AIに吸収される可能性があります。
LPの役割が変わる
人の感情に訴えるランディングページよりも、AIに正確な判断材料を渡すことの重要性が高まります。
・構造化された商品データ
・在庫
・価格情報のAPI
新広告「Direct Offers」
Googleは、AIとの対話中、購入意欲が高まった瞬間にだけ表示されるクーポン型広告「Direct Offers」も発表しました。“どこに表示されるか”ではなく“いつAIに選ばれるか”が広告の争点になります。
実務で取るべきアクション
「AIに選ばれる店舗」になるため、今から準備すべきポイントは明確です。
Merchant Centerのデータ拡充
Google Merchant Centerに追加された使用シーン、組み合わせ提案などの新属性を丁寧に入力し、AIが判断しやすい商品情報を整備します。
構造化データと技術対応
llms.txtや構造化データの実装を進め、「AIが扱いやすいサイト」であることを技術的に示す必要があります。エンジニアとの連携は不可欠です。
指名されるブランドづくり
「何かおすすめして」ではなく「〇〇社の商品を見せて」とAIに指定されるブランドだけは、AIによる取捨選択の外側に立てます。
SEOは、GEO(生成AI最適化)を経て、AIエージェント最適化のフェーズへ入りつつあります。今後はサイト訪問数ではなくAI経由でどれだけ購入されたかが成果指標になります。