IP制限とは?メリット・デメリットと設定手順を解説

「IP制限?何それ???」
「IP制限はしたほうがいい?IP制限が必要になるときってどのようなとき?」
「IP制限はどうやったらできるのか?」
Web初心者の方の場合「IPアドレスの制限」などテクニカルなWebサイト運営術はどうしても敬遠しがちではないでしょうか?
そこで、IP制限について基礎から解説します!
- IP制限、IPアドレスとは何か
- IP制限を行うメリットとデメリット、制限が必要なケース
- IP制限の設定方法、制限解除方法
IP制限を適切に使いこなして、セキュリティレベルの高いWebサイト運営術を身につけましょう。
- 目次
IP制限とは

IP制限のイメージ
IP制限について理解するために、そもそもIPアドレスとは何か、というところから解説します。
IPアドレスとは何か?
IPアドレスとは
インターネット上でコンピュータやスマートフォンなどの機器を識別するための番号
皆さんが住んでいる家の住所と同じように、インターネット上ではIPアドレスが各機器の「住所」として機能します。
例えば、あなたがWebサイトにアクセスするとき、あなたのコンピュータのIPアドレスはアクセスしようとしているWebサイトのサーバーに伝えられます。サーバーはこのIPアドレスをもとに、あなたに適切な情報を送り返すのです。
IPアドレスの種類
IPアドレスには、大きく分けて「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」の2種類があります。
| グローバルIPアドレス | インターネット上で使用される世界で1つだけの住所。インターネットに接続するすべての機器に割り当てられる。 |
| プライベートIPアドレス | 家庭内や会社内など特定のネットワーク内で使用する住所。インターネット上では直接利用できない。 |
グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスを実際の住所に例えると、以下のようになります。
| グローバルIPアドレス | 国・都道府県・市町村名・番地・建物名・部屋番号 |
| プライベートIPアドレス | 部屋番号 |
例えば・・・
同じマンションに住んでいる人(施設内ネットワーク)であれば、部屋番号を伝えるだけでも住所が伝わります。
対して、市役所や会社など公の場(インターネット上)では国・都道府県・市町村名・番地・建物名・部屋番号まで言わないと住所が正確に伝わりません。
IP制限とは何か?
IP制限とは
特定のIPアドレスからのアクセスを許可したり禁止したりする機能
これは、マンションのオートロックのようなものです。オートロックでは、マンションに住んでいる人だけが鍵を使って入ることができます。IP制限も同様に、あらかじめ許可されたIPアドレスを持つ機器からのアクセスのみを許可し、それ以外のアクセスは拒否します。
例えば、あなたのWebサイトにスパムコメントがたくさん書き込まれているとします。この場合、スパムを投稿しているユーザーのIPアドレスを特定し、そのIPアドレスからのアクセスを禁止することで、スパム対策を行うことができます。

ミラーサイトはペナルティの対象となるリスクがあるのに、なぜ存在しているのでしょうか?
IP制限のメリットとデメリット
「IP制限はどうしても必要なのか?」という疑問は、IP制限の重要性や実行する場合のリスクを理解することで解消します。
このセクションでは、IP制限のメリット・デメリット、IP制限を検討すべき具体的なケースについて解説します。
【 メリット 】
- セキュリティ強化
- 特定のユーザーへのアクセス制限
- サーバー負荷軽減
【 デメリット 】
- 設定の複雑さ
- アクセスの制限による不便
- IPアドレスの管理の煩雑さ
IP制限のメリット
IP制限は、不正アクセスなどの脅威からWebサイトを守るセキュリティ向上施策として、非常に有効な手段です。
セキュリティ強化
- 不正アクセス防止
特定のIPアドレスからのみアクセスを許可することで、外部からの不正なアクセスを効果的に防ぐことができます。ハッキングやスパム攻撃などのリスクを軽減し、Webサイトの安全性を高めます。 - 内部情報漏洩防止
社内ネットワークからのみアクセスを許可することで、セキュリティを強化できます。さらに、管理者権限を持つユーザーのIPアドレスのみを許可する方法で、機密情報の漏えいを防ぐ手段としても使えます。 - DDoS攻撃対策
DDoS攻撃とは、大量のアクセスでサーバーをダウンさせてしまう攻撃ですが、IP制限によって攻撃元を特定し、アクセスを遮断することで被害を最小限に抑えることができます。
特定のユーザーへのアクセス制限
- 特定のユーザーグループへのアクセス制限
特定の部門やプロジェクトチームなど、アクセスを制限したいユーザーグループを指定できます。
サーバー負荷軽減
- 不要なアクセスの制限
不必要なアクセスを制限することで、サーバーへの負荷を軽減し、Webサイトの安定稼働に貢献します。
IP制限のデメリット
一方でIP制限を行うデメリットや注意点も存在します。
設定の複雑さ
- .htaccessファイルの編集
初心者にとっては、IP制限を実行するための.htaccessファイルの記述方法が複雑に感じる場合があるかもしれません。 - 誤った設定によるトラブル
設定ミスにより、意図せずサイト全体にアクセスできなくなってしまう可能性があります。
アクセスの制限による不便
- 必要なアクセスが制限される
例えば、自宅からリモートワークで社内システムにアクセスできない場合など別対応が必要になります。 - ユーザー体験の低下
正当なユーザーがアクセスできなくなってしまった場合、利用者の利便性が低下します。
IPアドレスの管理の煩雑さ
- 許可リストの管理
許可するIPアドレスのリストを常に管理する必要があります。新しいIPアドレスを追加したり、不要なIPアドレスを削除したりする作業が発生するため、管理を行う担当者が必要です。
IP制限が必要なケース
- Webサイトの規模が大きい場合
アクセス数が多いWebサイトほど、不正アクセスやDDoS攻撃のリスクが高まります。 - 機密性の高い情報を取り扱う場合
特定の部門のみで取り扱う顧客情報など、重要な情報を取り扱う場合は、社内ネットワークに厳格なアクセス制限設定が必要です。 - スパムや不正アクセスが多い場合
頻繁にスパムコメントや不正アクセスが発生している場合は、IP制限が有効です。

IP制限の具体的な設定手順
IP制限の設定手順を理解して、Webサイトのスムーズな運営につなげましょう。
このセクションでは、以下2つのIP制限方法を紹介します
ApacheでIP制限を行う方法
Apacheとは、Webサーバーソフトの1つです。
Apacheを使ってパソコンに格納された記事や画像をWebサイトのコンテンツとしてアップロード、公開することができます。
IP制限の設定についても同様です。
「誰を」「どのように」設定するのか記載したファイルを作成し、ApacheからWeb上にアップロードすることでIP制限が可能です。
ApacheでIP制限を行うファイルは「apache2.conf」か「.htaccess」のいずれかを使用します。
【 「apache2.conf」「.htaccess」の具体的な記載内容 】
- 「apache2.conf」「.htaccess」にIP制限の設定内容を記載
- IP制限の内容について詳細設定を行った「apache2.conf」「.htaccess」ファイルをApacheでサーバーにアップロード
- Apacheサーバーを再起動

【 具体的な手順 】
apache2.confにIP制限内容を記載する場合は「Require」というディレクティブ(指示文)を使って記載します。
| Require all granted | すべてのIPアドレスのアクセスを許可 |
| Require ip [ 指定したIPアドレス ] | 指定したIPアドレスからのアクセスのみ許可 |
| Require not ip [ 指定したIPアドレス ] | 指定したIPアドレスからのアクセスを拒否 |
<Directory “IP制限を行うディレクトリを指定”>
<RequireAll>
Require all granted
Require not ip [ アクセス制限をかけるIPアドレス ]
</RequireAll>
</Directory>

ファイアウォールでIP制限を行う方法
ファイアウォールとは、外部からの不正なアクセスを防ぎ、安全なネットワーク環境を守るソフトウェアです。
コンピューターやネットワークに接続された機器と、外部ネットワーク(インターネットなど)との間で通信を監視し、許可された通信のみを通過させます。
【 ファイアウォールでのIP制限手順 】
- ファイアウォールの管理画面にアクセス
- 制限するIPアドレスの登録など、必要な設定を行う
- 設定内容を保存

ファイアウォールはIPアドレス制限以外にも、様々なセキュリティ機能があります。セキュリティ強化を図るためには、ファイアウォールとApache設定を組み合わせた多層的なセキュリティ対策がおすすめです。
IP制限を解除する方法
Apacheやファイアウォールに設定したIP制限は、それぞれの設定を取り消すことで解除できます。
- Apacheで設定したIP制限
「apache2.conf」「.htaccess」ファイルに記載したRequireディレクティブの記載を削除し、再度アップロード - ファイアウォールで設定したIP制限
各ファイアウォールの管理画面から設定を解除

一度設定しても後で取り返しがつくんですね!安心しました…
よくある質問
IP制限ってかいくぐられる可能性はありますか?
はい、IP制限はいくつかの方法で回避される可能性があります。
- VPNの利用仮想
プライベートネットワーク(VPN)を利用することで、自分のIPアドレスを隠してアクセス可能 - プロキシサーバーの利用
プロキシサーバーを経由してアクセスすることで、元のIPアドレスを隠すことができる - IPアドレスの変更
動的IPアドレスを利用している場合は、定期的にIPアドレスが変わるため、IP制限を回避できる可能性がある - IPスプーフィング
偽のIPアドレスを偽装してアクセスする方法で、サイバー犯罪でよく用いられる
IP制限はセキュリティ対策の第一歩ですが、これだけでは完全な対策とは言えません。様々な手法で回避される可能性があるため、複数のセキュリティ対策を組み合わせることが重要です。
- VPNの利用仮想
IP制限回避を対策する方法はありますか?
はい、絶対的な方法ではありませんが、有効な方法がいくつかあります。
- 多層防御
IP制限だけでなく、ファイアウォール、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)、IDS/IPS(侵入検知・侵入防止システム)などの複数のセキュリティ対策を組み合わせる - 定期的な監視
システムへのアクセスログを定期的に監視し、不正なアクセスを早期に検知 - 最新のセキュリティ対策
ファイアウォールやセキュリティソフトのルールを常に最新の状態に保つ - ユーザー認証
パスワードや二要素認証など、ユーザー認証を強化することで、不正アクセスを防ぐ - IPアドレスのホワイトリスト化
信頼できるIPアドレスのみを許可するホワイトリストを作成し、アクセスを制限 - CAPTCHAの導入
自動化された攻撃を検出し、人間による操作であることを確認する仕組みを導入 - honeypot
攻撃者を誘い込むための偽のシステムを用意し、攻撃者の行動やノウハウを監視。手口を分析するための情報を収集する
- 多層防御

企業が運営するWebサイトであれば、運営に携わるスタッフのセキュリティ意識を高めることも重要です!
まとめ
IP制限とは、特定のIPアドレスに限定してアクセスを拒否することです。
不正アクセスや内部情報漏えいといったリスク防止策として有効ですが、設定にテクニカルな知識が必要で管理も煩雑になりがち、というデメリットがあります。
IP制限の設定方法は、ApacheというWebサーバーソフトでIP制限の詳細設定を記載したファイルをアップロードする方法と、ファイアウォールソフトを活用する方法があります。
IP制限はセキュリティ対策としての穴も多いので、Apache・ファイアウォールどちらも使用した上で、さらに複数のセキュリティ対策を取り入れましょう。













