ストーリーテリングとは?概要やメリットを詳しく解説

聞き手を惹きつけて強く印象づける話法として有名な「ストーリーテリング」は、プレゼンや演説などで広く用いられています。

ストーリーテリングって、Webにも関係あるんですか?

プレゼンや演説だけじゃなくて、さまざまなシーンで活用できるよ!
Webマーケティングやコンテンツマーケティングにおいても例外ではなく、「ストーリーテリング」を活用することで、認知度向上や売り上げアップなどにつなげることが可能です。
この記事では、ストーリーテリングの概要や効果的なストーリーテリングを行うためのコツを詳しく解説します。
この記事で学べること
- ストーリーテリングの概要
- ストーリーテリングのメリット
- ストーリーテリングのコツ
- 具体例
- 目次
ストーリーテリングとは
ストーリーテリングは、日常においてもビジネスにおいても、何かを相手に伝えたいときや相手を誘導したいときに非常に有効な手法です。
まずはストーリーテリングの概要について解説します。
物語や体験談を通じて印象を残す手法
ストーリーテリングとは、「物語や体験談を通じて印象を残す手法」のことです。
例えば、近年ではAmazonのCMがストーリーテリングを効果的に取り入れていると話題を呼んでいます。
Amazon Primeの会員になると「翌日配送」「コンテンツの見放題」など様々なメリットを得られますが、CMではあえてその部分には触れません。
ただ「Amazon Primeを取り入れることでどのような日常を手に入れられるのか」に焦点を当て、幸せな風景を描いています。
サービスの価格やメリットを並べるのではなく、物語や体験談を通して「どのような体験を得られるのか」を人々の価値観や感情に訴えかけるのです。

たしかに、値段などメリットを伝えるのも魅力的ですが、心に残るかって言われたら違いますよね。

そうだね。ただ事実を伝えるのではなく、ストーリーを持たせることが重要といえるね。
こうした作用を持つストーリーテリングは、コンテンツに溢れ、情報量の増えた現代において注目されている手法といえます。
数あるコンテンツの中から自社のものを選んでもらい、そして強く印象に残り続ける手法だからです。
実際、スタンフォード大学のジェニファー・アーカー氏の研究では、ストーリーテリングを用いることで事実を羅列するよりも22倍記憶されやすくなる※ことがわかっています。
このようにストーリーテリングの手法を用いると、聞き手を惹きつけつつ、強烈なインパクトを残すことができます。
その重要性は今後も高まり続けることが予想されるため、いかに有効活用できるかが、これからの社会で生き残るための手段となりえるでしょう。
ビジネスにも活用されている!
記憶に残りやすく、行動につなげやすいストーリーテリングは、ビジネスでも活用できます。
例えば先ほど例に挙げたAmazonのCM以外に、新商品発表の際のスピーチなどでもその効果は抜群です。
かの有名なスティーブ・ジョブズ氏は、スピーチの際にストーリーテリングを上手く取り入れることで、多くの顧客の関心を惹きつけました。
もちろん、革新的な技術も成功要因の1つになりますが、それを上手く顧客にアピールできなければ企業の独走になってしまいます。
「いかに顧客にわかりやすく伝え、興味を引き、印象に残すことができるか」が大切な視点です。
その点においてストーリーテリングは、企業と顧客をつなぐ架け橋となります。上手く活用できれば、認知度向上や売上アップなどに貢献できるでしょう。
また、採用サイトの社員紹介で印象的な経験を載せたり、設立からの歩みを載せたりといった場面でも役立つ手法です。
ストーリーテリングのメリット
たとえ事実であっても、ただデータを羅列するだけでは聞き手の印象に残りません。訴求したいことがあるのならば、聞き手に「面白い」と思ってもらう必要があるのです。
ストーリーテリングは面白いと思ってもらうために有効な手法で、具体的には以下3つのメリットがあります。
- 共感を得やすい
- 記憶・印象に残りやすい
- 行動につなげやすい
それぞれを確認していきましょう。
MERIT 1
共感を得やすい
ストーリーテリングでは、物語や体験談が語られます。その際、聞き手は登場人物に感情移入し、まるで擬似体験をしているかのように感じられます。
「他人事」ではなく「自分事」になり、共感を得やすくなるのです。
もちろん、話の内容がターゲットの価値観に刺さるものである必要はありますが、共感を得られればこちらの望む行動へと誘導できる確率が高まります。
MERIT 2
記憶・印象に残りやすい
先ほども記載したように、スタンフォード大学のジェニファー・アーカー氏の研究では、ストーリーテリングを用いることで、事実を羅列するよりも22倍記憶されやすくなることが明らかになっています。
実際、学生の頃、歴史の年号と出来事をただ暗記していくよりも、漫画でまとめられた歴史を学んだ方が覚えやすかったことがあるのではないでしょうか。
算数の方程式を覚えていなくても、国語の授業で学んだなかのいくつかの作品はいつまでも記憶に残っているものです。
感情が揺さぶられるストーリーは、「体験」として記憶に結びつきます。
MERIT 3
行動につなげやすい
ストーリーテリングで聞き手の興味を引くことができれば、行動につなげやすくなります。
物語や体験談が詳細に語られることによって「商品やサービスを利用することで何を得られるのか」といった具体性も高くなるため、購入へのハードルも下がるのです。
自社が望むゴールへと聞き手を導くためには、聞き手の感情を揺さぶり、こちらのペースに巻き込むことを心がけましょう。
ストーリーテリングのコツ

ストーリーテリングのメリットはよくわかりました。でも、実際に取り入れるとなると難しそうですね…。

ストーリーテリングは、ただ物語や体験談を流せば良いってわけではないからね。うまく取り入れるためのコツを意識しよう!
ストーリーテリングの効果を最大限引き出すためには、以下の4つのコツを押さえましょう。
- ターゲットを明確にしておく
- 共感できるストーリー性を意識する
- 失敗も正直に話す
- 具体的な数字を含める
順に見ていきましょう。
ターゲットを明確にしておく
ストーリーテリングでは、明確にターゲットを定めておかなければ意味がなくなってしまいます。
なぜなら、ストーリーテリングで語られる物語や体験談に興味を持ってもらったり、共感してもらったりしなければならないからです。
ターゲットを定める際には、深層心理を考えるようにしましょう。
聞き手が心の奥で抱いている思いを捉えることができれば、メッセージ性の強いストーリーに仕上げることができます。
具体的な人物像を考える際には、市場調査をした上でペルソナを設定するのがおすすめです。「属性」「ライフスタイル」「悩み」の3つの構成を踏まえて、慎重にリサーチしましょう。
共感できるストーリー性を意識する
ターゲットを設定したら、次はそのターゲットの感情を揺さぶるストーリーを考えます。
たとえストーリー仕立てであったとしても、ただ登場人物に事実や悩みを代弁させるだけの淡々とした構成では、聞き手の心を掴むことはできません。
ストーリーテリングでは、いかに聞き手をストーリーに引き込むかが大切になってきます。
共感を得るストーリー性を構築するためには、STAGEの型が効果的です。
- Situation:取り巻く環境や状況
- Trouble:悩みや困難
- Action:発言行動
- Goal:現在の状況や結果
- Evaluation:意義や使命
この5つの要素を踏まえることで、聞き手は具体的にイメージしやすくなり、共感を呼びやすくなります。
聞き手を惹きつけるストーリー構成で、訴求力の高いストーリーテリングを実現しましょう。
失敗も正直に話す
ストーリーテリングでは、良い結果をもたらしたストーリーだけでなく、あえて失敗してしまったストーリーを正直に話すのもおすすめです。
失敗が語られることで、聞き手と登場人物の距離が一気に縮まり、親近感を抱きやすくなります。
また、マイナスな面が語られることで信頼感も高まります。
ストーリーテリングでは、どうしても聞き手と話し手で境界線ができてしまいがちです。その境界線を取っ払い、同じ土俵にいることを認識してもらいたい場合には、この手法が向いています。
具体的な数字を含める
人は、ただ漠然とした内容を伝えられるよりも、数字やデータのように具体的に理解できるものである方が信憑性や正確性が高いと認識します。
あまりに数字やデータが多いと人間味がなくなってしまうため逆効果ですが、伝えたい数字をストーリーで表現してみましょう。
ストーリーテリングの具体例
ここまでストーリーテリングについての様々な情報をお伝えしました。最後に、より理解できるよう実際のストーリーテリングの具体例を見ていきましょう。
AmazonプライムのCM
AmazonプライムのCMは、ストーリーテリングを上手く活用した非常によくできたCMです。
Amazonプライムといえば、翌日配送・豊富な品揃え・コンテンツの見放題など、月額料金を払うことで様々なメリットを得られるサブスクリプションサービスです。
しかし、このCMではサービスに関する説明が一切流されません。さらにいえば、言葉さえも交わされず、ただ登場人物の表情や行動だけが映像に映し出されます。
それでも、Amazonプライムであれば購入の翌日には商品が届き、贈る相手を笑顔にすることができるという内容が伝わります。
これを見た視聴者は、Amazonプライムに登録したり、Amazonで何か商品を購入して誰かに贈ったりするかもしれません。
AmazonプライムのCMは、言葉や説明がなくても、メッセージ性の強い仕上がりになっているのです。
スティーブ・ジョブズ氏のストーリーテリング
ストーリーテリングの具体例として外せないのは、やはりスティーブ・ジョブズ氏のスピーチです。特に、iPod・iPhone発表時のスピーチは聞き手を大いに惹きつけた事例として語らずにはいられません。
実はiPodは特に革新的な製品であったわけではなく、すでに他社が「MP3プレーヤー」を提供している中での発売でした。
それでも音楽業界を席巻するほどの商品となったのは、操作性やデザイン性の高さだけでなく、スティーブ・ジョブズ氏がスピーチの中で何度も発言した「1,000曲をポケットに」というフレーズにあります。
ターゲットの悩みを解決しつつ、強烈な印象を残すフレーズを何度も発言することで、聞き手に商品の価値を伝えつつ、記憶に刻むことに成功したのです。
このおかげでiPodは瞬く間に人気商品となり、今でも語り継がれる伝説のスピーチとなりました。
iPhone発表時のスピーチでは、冒頭部分が非常に有名です。
Apple社のこれまでの実績を紹介しつつ、新たに3つもの新製品を発表すると聞き手の期待感を高めました。そして、良い意味でその期待を裏切るのです。
実は3つの製品ではなく、3つの機能が収容された1つの製品の発表だったのです。
当初の期待を裏切りつつも、さらに大きな期待感・ワクワク感を増す導入の方法であり、まさに冒頭の掴みの部分として非常によくできています。
Appleの新商品を待つ人々にターゲットを設定し、その期待を加速させる構成で一気に聴衆を引き込む。まさにストーリーテリングを組み込んだスピーチの集大成といえます。
よくある質問
ストーリーテリングってなんですか?
ストーリーテリングとは、相手に何かを伝えたいとき・相手を誘導したいときなどに有効なコミュニケーションの手法で、物語や体験談を通じて聞き手を惹きつけて強く印象づけます。
ストーリーテリングにはどのようなメリットがありますか?
ストーリーテリングでは、以下の3つのメリットが得られます。
- 共感を得やすい
- 記憶・印象に残りやすい
- 行動につなげやすい
自社が望むゴールへと聞き手を導くためには、聞き手の感情を揺さぶり、こちらのペースに巻き込むことが大切です。
ストーリーテリングはどのようなシーンで有効ですか?
ストーリーテリングが有効なシーンは以下の通りです。
- プレゼンテーション・スピーチ
- ビジネス
- 教育
主に相手に強く印象づけたい場合に有効です。
まとめ
ストーリーテリングは、コンテンツや情報が溢れる現代社会において重宝される、「物語や体験談を通じて印象を残す手法」のことです。
ターゲットを明確に定めたり、共感できるストーリーに仕上げたりと、いくつか気をつけておきたい注意点はありますが、上手く取り入れられればビジネスの場においても幅広く活用できます。
ぜひこの記事を参考に、ストーリーテリングのスキルを実践してみてください。













