「AI Overviews」が自作記事より競合を推奨

GoogleのAI Overviewsが、自社を1位に挙げた「best」系のランキング記事を引用しながら、肝心のその企業は推奨せず、競合を勧めるケースが多いことがわかりました。SEO専門家のリリー・レイ氏による調査で、B2Bソフトウェア領域のクエリでこの傾向が確認されました。
自作ランキングが競合を後押し
多くのブランドは、自社を上位に据えた「best ◯◯」形式のランキング記事を作り、AI検索の結果に影響を与えようとしてきました。ところが今回の調査では、Googleがそうしたページを情報源として引用しつつ、推奨先には別の競合を挙げる例が目立ちました。
レイ氏によれば、自社を売り込むランキング記事が引用されながら、その企業自身は推奨されなかったケースは全体の69%にのぼります。引用されること(cited)と、推奨されること(recommended)は同じではない、という点が今回の核心です。
調査で分かった数字
調査は、Ahrefsのブランド分析機能を用い、B2Bの「best ◯◯ software」系クエリ100件を、4月15日・5月15日・6月8日の3時点で計測したものです。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| AI Overviewsが表示された件数 | 80件 |
| 自作ランキングが引用された回数 | 323回 |
| 引用されたが自社は推奨されなかった回数 | 224回 |
具体例も挙がっています。「best LMS for selling courses」というクエリでは、GoogleはOasis LMSのページを引用しながら、推奨先にはKajabiやThinkific、LearnWorlds、Teachableといった、その記事内で名前が挙がっていた競合を提示しました。同様の傾向は、ヘルプデスクやタスク管理、アンケート、CRM、SEOツールのクエリでも見られたとしています。
強いブランドと第三者サイトが優位
一方で、すでにカテゴリで先行し、第三者から広く言及され、被リンクの評価が強いブランドは、AI Overviewsの推奨に登場しやすい傾向があったとレイ氏は指摘します。
Googleが「best」系のクエリで重視していたのは、第三者サイトやユーザー投稿型のサイトでした。なかでもRedditの引用がここ数カ月で急増しており、ForbesやReddit、YouTubeが引用元の上位に並んでいたとのことです。
自作ランキングに強く依存していたサイトでは、オーガニック検索の流入も落ち込みました。下落は1月20日ごろから多くのサイトで始まり、5月のコアアップデートで加速したと報告されています。Search Engine Landは以前にも、自作のベスト記事に頼っていた一部のSaaS・B2Bブランドが、可視性を30〜50%失ったと報じており、今回の調査はその流れをさらに裏づける内容になっています。
SEOタイムズの見解
SEOタイムズとしては、今回のデータを、私たちが繰り返し指摘してきたAEOやGEOの小手先施策の限界を裏づけるものと捉えています。
「自社を1位にしたランキング記事を量産すれば、AIに推奨される」という発想は、もはや通用しないどころか逆効果になりかねません。AIは記事を情報源として参照しても、推奨先は第三者からの評価や実績、被リンクといった外部のシグナルで判断しています。引用されることと指名されることは、はっきり分けて考える必要があります。
弊メディアが推奨するのは、自作の順位付けに頼らず、第三者から自然に言及・比較される実体をつくることです。プロダクトや実績そのものを磨き、レビューや言及が積み上がる状態を整えるという王道に立ち返るのが、結局は近道になります。なお、米国では自社管理のコンテンツを独立したレビューのように見せる手法に法的リスクがあると報じられています。日本でもステルスマーケティング規制があり、同じ観点での注意が欠かせません。
まとめ
AI Overviewsは、自作のランキング記事を引用しても、その企業ではなく競合を推奨することがあるとわかりました。引用される工夫よりも、第三者に評価され指名されるブランドになることが、AI検索でも王道です。小手先の自画自賛ではなく、実体づくりに力を注いでいきましょう。












